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June 22, 2005

脳内キャスティング

さっき読んだ時代小説がとてもよかったのです、切なくて美しくて悲しくて、ああもうこれはジェリー君だなと思いました。あ、これから読もうかという方は読みとばして下さいませ。「たば風」(宇江佐真理/実業之日本社)です。

祝言を控えた幸四郎とまな。男前で性格もよく、頭も切れる幸四郎。まぶしいような幸せな日々。が、ある日彼が突然病に倒れ、半身不随に。

何が何でも幸四郎に嫁ぐ、それが駄目なら自害すると言うまなを両親は納戸に押し込め、その間に縁談を白紙に戻してしまう。しばらくふさぎこんでいたまなだが、気晴らしに出かけた買い物の帰り、浜辺で幸四郎に出くわすのだった。

で、ですね、おぼつかない足取りで歩く彼に「幸四郎様……」とまなが声をかけると、彼は不自由な脚で逃げて行ってしまうのです、くーーー。それを見たまなは幸四郎を諦めて別の男のところに嫁ぐのでした。

まなが嫁いだのは穏やかで優しい男性。やがて男の子も生まれ、幸四郎のことは淡い思い出に変わります。

が、がですね、まなの夫が藩の御家騒動に巻き込まれ、彼女と息子に命の危険が。実家に逃げろと夫から文が来ますが、乳飲み子を抱えて女の脚で逃げられるわけもなく途方に暮れるまな。

ああ、するとある夜、あの幸四郎が、幸四郎様が迎えに来て下さるのですよ〜。他の男に嫁いで行った女を、ただただ愛のために不自由な体でやってくるの。愛だわ、ロマンだわ、切ないわ。

幸四郎様は命がけで戦って、敵を二人も切り捨てます。強いのです。やがて休憩のために入った小屋で、息子に乳をやりながらまなは言うのでした、「本当ならこの子があなたの息子であったものを……」、すると幸四郎様は彼女の襟に手をかけ、手をかけ……来るぞ、来るぞ、来たーーーっと思ったら、彼女の胸を襦袢にしまうのでした。プ、プラトニックラブなのですよ〜。う、美しすぎます、ジェリー様。

まなを実家まで送り届けると幸四郎様は言います、「もう拙者のことは忘れて下さい、お会いするのも今宵限りと……」。で、ほんとにそれがまなが幸四郎様を見た最後の姿になってしまうのです、彼はやがて発作を起こして静かに息をひきとってしまうのでした。

儚くて、美しくて、切ない話だ〜。私はヴァネ&Kenちゃん迷だけども、これはジェリー君しか浮かばなかったです。私の脳内スクリーンには立派なお侍姿のジェリー君がいます。ああ、でも肝心な「まな」のキャスティングが浮かばない。えーっと、えーっと、もうこれは「私」でいいんじゃないかしら。わー、女のロマンだわ。

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Comments

時代物、おもしろそう!ここでも推薦なさっている『君を乗せる船』も興味あります。私は読むのが遅いので、文庫を買いたい派なんです。もう少しまって是非手に入れたいと思っています。

うんうん、ジェリーは一途な愛が良くも悪くもとても似合いますよね。そしてやっぱりプラトニックなエロさなのですね~!!
お侍ジェリー・・・「拙者・・・・今宵限り・・・・」ああ、私には彼のバックにおぼろ月が見えます~!

Posted by: めひじゃ | June 23, 2005 at 17:41

宇江佐真理の本、私はすごく好きなんです。気に入って下さったらいいな〜。
プラトニックでエロい!そう、そうなの。blogには書きませんでしたが、まなの胸元を清志郎が正したときに、ちょうど乳をやってたので母乳が彼の手についちゃうんですよね、で、彼がその手を舐めて「甘い」とつぶやいたので、まながへなへな〜、腰砕け〜みたいな記述があって、秘かにエロいんですよ。すごいわ、書かなくてもわかるなんて。
で、彼のバックにおぼろ月っていうのも、ほんと中秋の名月の頃で、青白い月明かりがまぶしいほどだった、って書いてあるんでこれも当たってます。す、すごーい。

Posted by: | June 23, 2005 at 20:59

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